住み替えを検討している方にとって、スムーズに引っ越しを進めるためのスケジュール作りは非常に重要です。スケジュールが狂うと、余計なストレスや追加費用が発生してしまいます。
不動産の売却や新しい住まいの契約、引っ越し準備など、住み替えには多くのステップがあり、それぞれに適したタイミングがあります。
理想的な住み替えスケジュールとその流れを詳しく解説し、計画通りに引っ越しを完了するためのポイントを紹介します。
◇住み替えの種類によって異なるスケジュール
住み替えが完了する平均期間は、3カ月〜1年です。「新居が見つかるまでの期間」や「家が売却できるまでの期間」がどの程度かによって変わります。
また、自宅の売却を優先するのか、新居の購入を優先するのかでも資金面やスケジュール感が異なります。
1.いまの家を売ってから住み替える「売り先行」
無理なく新居を購入し住み替えたい方は、自宅の売却を優先する「売り先行型」でスケジュールを立てましょう。
売り先行型は、一般的な住み替えパターンです。「家を売り残債を整理して、新しい家を購入する」ため、2重ローンになりにくいのが特長です。
ただし、新居がスムーズに見つからない場合、仮住まいを探す手間と仮住まいを経ての2度の引っ越しが必要になります。
2.新しい家を買ってから、いまの家を売る「買い先行」
絶対に妥協なく希望どおりの新居を探したい、という場合に選ばれるのが、先に新居の購入を優先する「買い先行型」です。
この方法は、自宅が売却できるまでの期間に二重ローンになりやすいため、資金に余裕がないと厳しい方法でもあります。
ただし先に新居を決めるため、引っ越しを2回するリスクはありません。
◇売り先行のメリットとデメリット
売り先行型で住み替える場合のメリットとデメリットを見てみましょう。
◆メリット
売り先行の主なメリットは次のとおりです。
・無理のない資金計画が立てられる
・売却時に妥協せずに済む
自宅を売却してから新居の購入となるため、自宅の売却額とローン残債を確実に把握したうえで、新居探しができます。無理のない資金計画を立てられるのは、大きなメリットでしょう。
自宅の売却を急ぐあまり、「安い価格でも売却せざるを得ない」という事態は避けられます。
◆デメリット
売り先行の主なデメリットは次のとおりです。
・仮住まいが必要になりがち
・急いで新居を決める必要がある
・仮住まいすると引っ越し費用は2倍かかる
新居がスムーズに見つけられない場合、仮住まいが必要です。そのため、2度の引っ越しになり、仮住まいの契約金などの出費もかさみます。
この場合には、リースバックで自宅を売却後にリースで済み続け、新居を探す方法もありますので、併せてご検討ください。この方法では引っ越しも1度限りです。
自宅の売却額がローン残債を下回る場合、買い替えローン(残債+新居購入費用を借りる)も利用できます。
◇買い先行のメリットとデメリット
買い先行型で住み替える場合のメリットとデメリットも見ておきましょう。
◆メリット
買い先行の主なメリットは次のとおりです。
・納得できる新居を探せる
・仮住まいせずに済むので、一度の引っ越しで住み替えが完了する
新居を妥協なく探せるのがこの方法の最大のメリットです。また新居が決まっている分、引っ越しは確実に1度で済みます。
◆デメリット
買い先行の主なデメリットは次のとおりです。
・家が売れるまで二重ローンになる
・急いで売却しがちなので、低価格での売却になりがち
自宅の売却先が見つからない場合、家が売れるまでの期間は新居のローンとあわせてダブルローンになってしまいます。また、売却を急いだ結果、売却額が安くなりやすい点にも注意が必要です。
どうしても資金繰りが厳しいが買い先行で動く場合、つなぎ融資を利用する方法もあります。ただし、「一般的な住宅ローンより金利が高くなること」「つなぎ融資は一般的に6~1年の融資期間であること」に注意する必要があります。
以上、今回は住み替え方法の種類やそれに伴うメリット・デメリットについて解説させていただきました。
次回はそれぞれの方法のスケジュールについて解説していきたいと思います!