老後にマンションを売るべきか持ち続けるのか。人生の転換期に立つ世代にとって、この決断は簡単ではありません。
マンション売却にはメリットやデメリットがあることに加え、売却後の住まい選びは、第二の人生を豊かにするチャンスとも考えることができます。
老後のマンション売却に関する利点と、見落としがちな注意点を解説します。さらに、売却後の新たな住まいの選び方まで疑問にお答えします。
◇老後にマンションを売却するメリット
老後にマンションを売却することには多くのメリットが存在します。売却によるメリットは、生活の質を向上させ、老後をより快適に過ごすための重要な要素です。
特に重要なメリットを3つに分けてくわしく解説します。
1.年代に合った暮らしやすい場所、家に住める
老後にマンションを売却するメリットとして、年代に合った暮らしやすい場所や家に住めることが挙げられます。
高齢者にとって、バリアフリーや段差の少ない住宅で暮らすことは重要です。年齢を重ねると体力や運動能力が低下し、段差や階段が大きな障害となります。
そのため、段差のないフラットなつくりの住宅や、車いすでも移動しやすいバリアフリー設計の住宅が求められます。これにより、日常生活の動作や暮らしが楽になり、事故のリスク軽減できます。
また、医療施設や公共交通機関が近くにある場所に引っ越すことは、高齢者にとって安心材料となります。医療施設へのアクセスがよい地域に住むことで、緊急時における迅速な対応が可能となり、定期的な通院もしやすくなります。
公共交通機関が整備された地域に住むことで、自動車に依存せずに移動できるため、高齢で運転が難しくなった場合でも不便を感じることなく生活を続けられることもメリットです。
2.子どもの家の近くや同居などが選択肢になる
マンションを売却することで、子どもの家の近くに引っ越す、もしくは同居するといった選択肢が生まれます。
高齢者にとって、孤独は健康に悪影響を及ぼす重大な要因です。子どもが暮らす家の近くに住むことで頻繁な訪問が可能となり、孤独感の解消につながります。
また、近くに住むことで、日常的なサポートを受けやすくなり、買い物や病院への付き添いなど、ちょっとしたサポートも頼むことができます。
一方で、子どもと同居する場合には、家事や育児を手伝うことで子育てにおける家族の負担軽減に貢献できます。
食事の準備や掃除、子どもの送り迎えなどをサポートすることで、共働き世帯の負担を減らせることも、老後の生きがいになるでしょう。
3.スローライフなど、定年後の楽しみを増やせる
老後のマンション売却により、スローライフを楽しむための選択肢が広がります。
都市部の騒がしさから離れ、地方や自然豊かな場所に引っ越すことで、静かな環境で心身のリフレッシュを図ることが可能です。趣味に没頭したり、ガーデニングやアウトドア活動、地域のコミュニティ活動に参加したりすることで、豊かな時間を過ごせるでしょう。
また、リタイア後には新しい趣味や学びを始めるかもしれません。都心部では、陶芸や絵画、音楽など、趣味を始めるための教室や施設が多く存在しています。新しいスキルを学びことで、自分の時間を有意義に使うことが可能です。
さらに、リタイア後にリゾート地への移住や海外移住を考える方も多く、これにより新たな文化やライフスタイルを体験できます。リゾート地では美しい自然環境の中でリラックスした生活を送り、海外移住では異なる文化や言語に触れ、新たな刺激が受けられます。
以上、ここまで老後にマンションを売却するメリットについて説明させていただきました。
次回はデメリットについて考えていきたいと思います。