少子高齢化などが原因となり、社会問題になっている空き家は今後も増加傾向にあるため、国や地方自治体もさまざまな対策を実施しており、空き家は有効活用もしくは売却することを推奨しています。
では、具体的に空き家はどのように売却、または活用すればよいのでしょうか。2回にわたって売却にかかる費用や利用できる制度なども解説します。
◇空き家の売却方法
空き家をスムーズに売却するためには、まずは売却方法を把握する必要があります。空き家の売却方法は以下の3つです。
・中古戸建てとして売却する
・更地として売却する
・古家付き土地として売却する
売却するときには複数選択することも可能なため、特徴を確認したうえで最適な方法を選択しましょう。
- 中古戸建として売却する
空き家をそのまま中古戸建てとして売却する方法は、所有者にとってもっとも手離れがよくシンプルな売却方法です。建物の解体費用も必要なく、破損している部分の修復も不要なケースもあります。
破損部分の修復が不要な理由は、所有者は売却するときに破損箇所を明記し、その内容に合意した買い手と契約に至るためです。つまり、買い手はあらかじめ破損箇所を把握したうえで購入するため、トラブルに発展することはありません。そのため、長年放置しており破損箇所などが不明確な戸建てを保有している場合は、中古戸建てとして売却することをおすすめします。
一方、築年数が30年以上経過している場合や破損箇所が多い中古戸建ては買い手が付きづらく売却が難しいケースもあります。そこで、まずは売却前に不動産会社へ相談し、中古戸建てとして売却が可能か確認しましょう。
- 更地として売却する
戸建てではなく、土地として売却する「更地渡し」という方法もあります。解体費や測量費はかかるものの売買契約後に解体するため売却益から支払いができ、所有者が先に手持ち資金を用意する必要はありません。
買い手としても建物の解体を引き渡し後に行う必要がなく、購入の決断がしやすいです。しかし、土地として売却するため、土地自体に価値がないと売却できません。立地が悪い場合や形がいびつな土地だと売却することが難しく、売却価格が大幅に低くなるケースがあります。
- 古家付き土地として売却する
土地として売却する際に所有者が古家を解体してから引き渡すことが多いですが、所有者が解体をせずに古家付きのまま売却することも可能です。
この場合は解体費分だけ売却価格を下げて販売するケースが多いため、買い手が見つかりやすいというメリットがあります。また、買い手の希望によっては中古戸建てとしての売却も可能なため、空き家の売却ではよく使われる方法です。
しかし解体しないことから、土地が狭い場合などはこまかい土地形状がチェックできずに、引き渡し後にトラブルが発生するおそれもあるため、注意が必要でしょう。
◇なかなか売れない場合の対処方法
築年数が経過した空き家であったり立地が悪かったりする場合は、売却が長期化することがあります。その場合は不動産買取を検討しましょう。不動産買取は市場で買い手を探すのではなく、不動産会社が直接購入する処分方法です。
通常の売却では不動産会社に販売依頼をして物件を公開し買い手を募集しますが、買取は募集をせず不動産会社から買取価格が提示されます。そして、所有者が買取価格に合意することで売買契約が締結されます。
この処分方法は通常の空き家売却とは異なり、不動産会社に相談した翌週に売買契約、翌月には引き渡し、というように大変スムーズな売却が可能です。市場で売却するよりも売却価格が下がってしまう傾向にありますが、売却期間が長期化している空き家は買取を検討しましょう。
新潟での空き家の売却にお困りの場合は、たなべ不動産㈱へぜひご相談ください!
次回は空き家の売却にかかる費用や利用できる制度についてご説明いたします。