住み替えを急いでいるが、自己資金が少ないのが心配、という人は少なくありません。
現住居の住宅ローンが残っていて、十分な自己資金がないといった、一見すると住み替えは難しい条件であっても、住み替えは可能です。しかし、住み替えを急ぐことで、住宅ローンの返済額がこれまで以上に大きくなるなどのリスクもあります。
ここでは、自己資金がない場合の住み替えの方法や流れ、リスクについて解説します。
◇自己資金なしで住み替える方法
自己資金なしで新たな住宅に住み替えをする場合でも、適切な手順を踏めば住み替えはできます。
自己資金なしで住み替える方法について、説明します。
1.フルローンやオーバーローンを利用する
フルローンとは、頭金を含めた購入代金全額を金融機関から借り入れることをいいます。また頭金だけでなく、手数料や税金などの諸費用も住宅ローンに含めて借りることをオーバーローンといいます。
フルローンやオーバーローンは、契約者の年収や勤務先などの評価が高いことや、新たに購入する住宅の担保価値が高いなどの条件を満たす必要があります。
これらを利用する際には、まず現住居の住宅ローン残債を完済する必要があります。
現住居の住宅ローンを残したまま、新たに住宅ローンを組みたいといっても金融機関の審査に通りません。
そのため、フルローンやオーバーローンは現住居の住宅ローンは完済できるが、住み替え費用がない場合に利用を検討しましょう。
しかし、これらは借入金額が多額になるため、毎月の返済額が膨らんでしまいます。また融資金額も増えます。十分な返済力があるのかどうか、金融機関の審査も厳しくなります。
2.住み替えローンを利用する
現住居の住宅ローンが返済できない場合は、住み替えローンを利用することで住み替えできる可能性があります。
住み替えローンとは、現住居の住宅ローン残債を新たに購入する物件の住宅ローンに組み入れることをいいます。
そのため、自己資金が少なくても借入ができ、住宅ローンも一本化できるため返済計画を立てやすいというメリットがあります。
しかし、住宅ローンの一本化によって、当然住宅ローン残高が増えます。借入額が多くなるとういうことなので毎月の返済負担額は大きくなり、審査も厳しくなります。
3.つなぎ融資を利用する
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行される前に一時的に融資をしてくれる制度です。
現住居の売却よりも先に、購入する物件の代金の支払いを行わなければならない場合につなぎ融資を利用します。
借入期間は通常2カ月から1年程度の短期間で、現住居の売却代金が入れば一括返済するという仕組みです。
注意しなければならない点は、現住居の売却価格と売却時期が決まっていないので、資金計画が狂うおそれがあることです。売却できない場合には、期間内に返済ができず遅延損害金が発生してしまいます。
また、つなぎ融資は貸す側のリスクも大きく、取り扱っている金融機関も多くありません。
以上が自己資金なしで新たな住宅に住み替える方法です。
次回は自己資金なしで住み替えを行う場合にどのような手順で考えていけばいいのかのステップと、そのリスクについて詳しくお伝えします。